バイクレース・マン島TTの歴史

ゲームでも大人気のマン島TTだが、なるほど風景もバイクも忠実に再現されており、バイク好きが夢中になるのもうなずける。
マン島TTは古く、1904年の自動車トライアルレースが最初だ。
後の王立自動車クラブが、マン島上層部から公道での自動車レースを許可されたことが始まりである。

1907年には、第1回競技が開催され、その後第1次世界大戦、第二次世界大戦を経て、マウンテン・コースも追加されたことから、マン島TTレースはイギリスラウンドとして、世界選手権シリーズの一戦に組み込まれるようになった。
その後、紆余曲折もあり、世界各国のバイクメーカーも参戦し、現在では本格的なレースに発展したのである。

多くのライダーが命を落とす

通常の公道を走行するバイクレースということもあり、当然街中も猛スピードで突き進むのがマン島TTの醍醐味である。
しかし一方で、毎年多くのライダーが命を落とすのも、事実として受け止めなければならない。
何せ、街中を時速300km以上のスピードで走行するのだから、スリルがある半面危険度は満載なのだ。

マン島TTは、1907年にレースが始まって以来、現在に至るまで240人以上ものライダーが命を落としているそうだ。
何せ、日本の公道よりも狭い道を爆走するのだから、ちょっとしたミスやクラッシュが大きな事故につながる。
どうしてこんな危険なことを、などと思いつつ、夢中になってしまうのはいつものことである。

続いている理由

マン島TTレースが、非常に危険を伴うレースであることは、モータースポーツファンであれば、誰しもが知るところであろう。
しかし、実際に1世紀以上も続くレースは、ほかのロードレースにない魅力が溢れているのだ。
毎年死人を出しているにもかかわらず、世界中の観戦者は3億人以上と言われているほどで、あいも変わらずマン島TTレースは大人気だ。

とはいえ、人気の秘密は、プロのライダーであれば、誰でも参加できるものではないところにあるのだ。
マン島TTレースに出場する為には、事前の予選レースに出場し、出場権を獲得しなければならないのだから。

マン島TTの魅力とは

マン島TTの魅力はズバリ、レーサーにとって伝統レースに出場できる名誉。
そして、選ばれしものだけが走れる喜び、危険なコースに挑む英雄的なものがあるのも事実である。
また、実走するレーサーだけではなく、それを見る観客たちも、夢中になりレースに酔いしれてしまうというのが、マン島TTの魅力の魅力だ。

よくネットゲームにはまるのは、現実から離れ、非現実を体験できるという魅力があるという。マン島TTの場合、実際に街中やマウンテンコースを爆走し、非現実が現実のものとして行われているのだから、その魅力にとりつかれる事は、ある意味いたし方のないことであろう。

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