バイクファンのなかでは、既に知っている人もいるかもしれないが、私たちを魅力させてくれるレース大会の歴史を一度押さえておきたいと思っている。
そこで、バイクレースのはじまりから現在まで、その歴史を振りかえってみようと思う。バイクの醍醐味を知るうえでは、覚えて損はないため、今からバイクをはじめる人からバイクファンのなかで、まだバイクレースの歴史を知らなかったという人は、ぜひ一読してほしい。
バイクレースの歴史
1894年に一般的にバイクが販売されるようになってから、その普及は爆発的に広まったといえる。移動に優れたバイクは、単なる移動手段としてのマシンという扱い方だけでなく、性能を求められるようにもなる。同時に、バイクに乗りながらスリルを味わいたくなる人もでてきたのである。
バイクの普及にともなって、スリルを求める人のニーズが高まった結果、バイクレースが誕生することになったのである。記念すべき第一回は、1906年に開催された、「マン島TTレース」といわれている。
公共道路はもちろん、立て看板や道路標識、縁石、ダートトラック(未舗装の周回路)など、道路でよく見かける障害物を巧みに避けつつ、スタートからゴールまでムダのないタイムを図るスポーツがはじまったのである。
バイクレースがどんどん盛り上がると、1949年に「国際モーターサイクリズム連盟」(FIM)が創設され、ここからロードレースの公式選手が決定されるようになる。現在でいう「WGP」(ロードレース世界選手権)である。創設当初から、125㏄・250㏄・500㏄・600㏄のクラスがあり、クラス別に出場するレーサーが決まっている。
オートバイメーカーの技術を実践的に確認できるメリットをもち、それと同時に、選手のパフォーマンスも相まって、大会ごとの特徴もある。例えば、1950〜1975年ではイタリアをはじめ、イギリス、日本などがタイトルを勝ち取るため競争が激しくなっていった。
1960年代では、激しい競争と同時にマシン開発に投下するコストが非常に高かったため、FIMが、開発コストを抑えるように促した。
それまでは、500㏄をメインに優勝争いが行なわれていたが、1975年頃では、「Honda」、「Yamaha」、「Suzuki」といった各メーカーが、125㏄クラスと250㏄クラスでタイトルを獲得するようになる。
WGPからMotoGPへ
1949年に創設されたロードレースは、現在の雛形ともいえるベースフォーマットとなっており、現在まで受け継がれている。
当初は、WGPと呼ばれていたが、だんだん「MotoGP」と呼ばれ方が変わっていく。
現在は、MotoGPの商標権を所有しているドルナスポーツ(スペインに本社を置いている)が運営・管理し、毎年開催するMotoGPを盛り上げている。
有名な選手と同時にマシンの技術もどんどん進歩しており、1000㏄クラスも登場している。