イタリアで有名なライダーといえば、ルカ・カダローラ(Luca Cadalora)を思い浮かべるバイクファンの人も多いだろう。優しくクールな顔立ちをした彼の成績は、その見た目とは裏腹に、非常に強い競争心も併せもっている。
今回は、そんなルカ・カダローラについて紹介しようと思う。
マシンを巧みに操るオールラウンダー
1963年(昭和38年)5月にイタリアで生まれたルカ・カダローラ。「イケメン」という言葉が似合うような、顔立ちでありながら、猛々しい一面もある。以下にルカ・カダローラのレース戦績をまとめてみた。
125㏄クラスでは、
- 1984年・WGP8位
- 1985年・WGP17位
- 1986年・WGP優勝
250㏄クラスでは、
- 1987年・WGP7位
- 1988年・WGP6位
- 1989年・WGP5位
- 1990年・WGP3位
- 1991~1992年・WGP優勝
500㏄クラスでは、
- 1993年・WGP5位
- 1994年・WGP2位
- 1995~1996年・WGP3位
- 1997年・WGP6位
- 1998年・WGP23位
- 1999年・WGP20位
- 2000年・WGP27位
「125㏄・250㏄・500㏄」と、排出量の少ないバイクから、排出量の大きいバイクまで操縦できるため、ルカ・カダローラがオールラウンドレーサーであることがうかがえたかと思う。
ルカ・カダローラは1995年(平成7年)には、ヤマハのチームをリードする存在となり、各レースに出場。華々しい成績を残している。
ところが、1998年(平成10年)からはロードレースの成績が低迷しはじめるようになった。ルカ・カダローラ本人も潮時と感じたのか、2000年の大会を最後に引退している。
ルカ・カダローラの走行特徴
ルカ・カダローラは、勝ち星を収めてた時期は、安定したテクニック、さらにマシンの排気量にかかわらず操縦できたため、チームから非常に頼りにされていただろう。
ルカ・カダローラの走り方は、コーナーリングが特徴的で、基本的に腰を落として重心のバランスを取るのだが、頭だけを低く構えるといった走行テクニックをする。
ところが、勝ち星を収めるシーズンもある反面、思うように成績が残せないシーズンもあった。そのため、ルカ・カダローラは、ホンダをはじめヤマハ、スズキなど所属先を転々としているようである。
バイクレーサーに限った話ではないのだが、スポーツ選手は調子の良い時と、思うような成績が残せない時期がある。
ルカ・カダローラ、戦績が思わしくなくても、すぐに環境を変えることで、安定した戦績を勝ち取とっていったのだと思える。
このように、自分の調子の変化に柔軟に対応できたレーサーだったといえる。そのため、どのマシンでも成績を残すルカ・カダローラに憧れる選手は多かっただろう。