スペインのモチーフ

FIMロードレース世界選手権(MotoGP)の1戦である、スペイングランプリ「スペインGP」。かつてこの大会が開催されたのは、バルセロナ・ムジュイックにある公園内のサーキット“モンジュイック・サーキット”やスペインマドリード北部の丘陵地帯にある“ハラマ・サーキット”だった。1989年から現在に至るまで、スペイン南部のヘレス・デ・ラ・フロンテーラにある“ヘレス・サーキット”で固定して開催されている。

これまでのスペインGPで歴史的なレースを紹介しよう。

1996年第4スペインGP

地元の英雄であるクリビーレが序盤からレースの主導権を握っていた。終盤になると興奮した観客がコースに雪崩れ込むというトラブル発生。最終コーナーでドゥーハンが接近し抜き去った。1994年と1995年とタイトルを連覇していた、王者ミック・ドゥーハンが勝利。クリビーレが優勝に確実かと思われたレース序盤、レース展開が最終コーナーでガラッと変わる瞬間が印象的なレースだ。

2005年開幕戦スペインGP

混戦の開幕戦だった。ヤマハ・チームのV・ロッシがラップレコードを2秒も更新する走りで5連覇を達成。レースの中盤以降までS・ジベルナウをTOP走行するレース展開は膠着状態だった。といっても後方との差は0.1~0.4秒差という一騎打ち。残り3周のところで、V・ロッシがトップに立つも、引き離せず最終ラップではジベルナウに追い越されるデッドヒートな戦いだった。最終コーナーまで緊迫の展開はもつれ込み、インを走ったV・ロッシにジベルナウがオーバーラン。V・ロッシが優勝した。

2010年第2戦スペインGP

この第2戦は、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル噴火の影響によりに第2戦日本GPが延期になったため、第3戦スペインGPが第2戦に変更になり開幕した。エイヤフィヤトラヨークトル噴火は、約190年ぶりに噴火したらしく、日本で開幕を楽しみにしていたファンにとって残念だったと思う。

気を取り直して、第2戦スペインGPのレースはロレンソの逆転優勝が印象に残っている。レースの終盤に差し掛かり、ペドロサ→ロッシ→ロレンソの順でレースは膠着状態に。ロレンソはあきらめずに、0.3秒差まで接近し、そこで一気にペースを上げペドロサとロッシを抜き去った。ペドロサとロッシは約1.5秒差でのゴール。スペイン人ライダーの優勝は地元ファンにとっては最高の1日だったに違いない。

スペインGPをはじめロードレースの醍醐味は、レイコンマレイ1秒の世界の中で白熱するレース展開がたまらない。いつ歴史的なレースとなるかわからないため、毎年開催されるスペインGPから目が離せない状態だ。ぜひスペインGPに注目してもらいたい。

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